Lilypond 入門

サークルの会報に載せたものですが、ここに転載しちゃいます。画像めんどくさいからあげてませんw
●インストール
Windows版のLilypondには2種類あります。すぐにインストールして実行できるMinGW版とちょっと設定が面倒なCygwin版※1があります。使ってるOSがVistaで無ければ多分MinGW版で動きます。以下MinGW版について書きます。インストーラhttp://lilypond.org/ → Download (上中央) → Microsoft Windows の右のInstallです。特別な理由が無い限り安定版(stable branch)を落としましょうね。(執筆時のバージョンは2.10.33-1) インストールはわかりやすいので適当で大丈夫だと思います。
インストールが完了するとデスクトップにLilypondのアイコンができてます。これは本音を言うと使えないので削除するなり無視してください。あと拡張子がlyのファイルが開けるようになってます。試しに拡張子がlyのファイルを作って右クリックしてみてください。Generate PDFとEdit Sourceがあると思います。普通にダブルクリックするとGenerate PDFが働いて中身に応じた楽譜が生成されます。Edit Sourceはさっきと同じで使えないので無視してください。余裕がある人は自分で好きなテキストエディターで開くようにいじっちゃってください。



●基本文法
それでは早速打ち込んでみましょうか。適当なテキストエディターを開いて
{ c d e f }
と打ち込んで、拡張子をlyにして適当な名前で保存して、ダブルクリックしてみてください。黒い窓が出てきてしばらくすると、同じフォルダにPDFファイルが生成してるはずです。開いてみると、右上の楽譜のような感じになってるはずです。低すぎて読みにくいのですがw、ドレミファですね!lilypondは音名をアルファベットで打ち込んでいくのです。対応は左の表のようになってます。♯や♭がつく場合はgis やges のように打ち込みます。ダブルにしたければgisisとか gesesでおk。楽譜に♯や♭が実際にかかれない場合でも音の高さは正しく書かなくてはいけません。たとえば同じ小節内でミ♭が2回出てくる場合、二回目もちゃんとeesってかかないとだめです。あと、オクターブ上げ下げしたいときは c’ とか c, で。高さを絶対的ではなくて、一番近い高さで指定したいときは \relative c’ { c d e} 最初のc’は基準にしたい高さ(楽譜には出てこない) で { } 内が実際の音。転調もできます。\transpose c g { c d e} みたいに。休符はrで、全休符として描きたいときはRにする。
音の長さは音名を書いた後に数字などを使って書きます。ドの4分音符だったらc4 、ソの8分音符だったら g8 のように。付点にしたければ . (ピリオド) をつけて、c4. みたいに。あと連符にしたければ \times 2/3 { c d e } という感じで。音名を省くと直前で指定した長さになります。スラーはg( a) という具合に。スラーの上下を変えたければ、g^( a) (上) g_( a) (下)とする。タイは c~ cという感じです。タイもスラーと同じように上下変えられます。^と_はいろいろなものに使えて、上下を指定できます。 g8[ a b c]とするとビームの組み方を指定できます。ビームとは8部音符とかがが連なったときに繋がる奴です。(説明しにくいw) ビームは自動で組まれるので、自動のが気に食わないときだけ使えば大丈夫です。
全部説明はできないのでこのサイトを参考にしてください。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/oishi/lilypond.html
http://sarabande.info/wiki/LilyPond_Cheat_sheet
適当にサンプルでも。

\relative c' { r8 c[ d ees] \times 2/3 { f[ ees d] ees[ d c] } }


●エレクトーン譜サンプル
せっかくなのでエレクトーン用の楽譜のサンプルを作っておきます。説明してない文法を使いますが、そこは勘弁してください。さっきの参考サイトとかGoogle先生で調べるなり、本家(http://lilypond.org/) の Documentation を読むなりしてください。(英語です…英語苦手な自分でも読めたから大丈夫b)

 
% 上鍵盤
MainDroite = \relative g'{
\clef treble
\key g \major
\time 4/4
  g2~^(\p^\markup{\bold "Assez doux, mais d'une sonorite large"} g8 a fis e
  d4 e8 fis fis e e4)
}

% 下鍵盤
MainGauche = \relative b{
\clef bass
\key g \major
\time 4/4
  b8-. d-. b-. d-. b-. e-. b-. e-.
  fis,-. b-. fis-. b-. g-. b-. g-. b-.

}

% 足鍵盤
Pie = {
\clef bass
\key g \major
\time 4/4
r4 g,8[_(-. r c,-. r e-.] r
d,[-.-- r b,-.-- r e,-.-- r d-.]) r
}

 
score {
  <<
    \new PianoStaff <<
      \new Staff { \MainDroite }
      \new Staff { \MainGauche }
    >>
      \new Staff { \Pie }
  >>
  \layout {}
  \midi {} %MIDIを出力
}


ちょっとだけ説明しておきます。Lilypondでは変数に音符データを記憶させることができます。
Foo = { c d e }
という具合に。読み出すときは \ (環境によっては¥です。)を付けて、 \Foo とする。例えばFooを3回繰り返したものをVarとして記憶したければ、
Var = { \Foo \Foo \Foo }
としてください。
\clef は音部記号を指定します。\clef trebleならト音記号。\clef bassならヘ音記号。他にもありますが、鍵盤楽器の楽譜では使わないでしょう。\key は調を指定します。\key g \major でト長調。\key g \minorでホ短調。\time 4/4は拍子を指定してます。\times だと連符になってしまうので注意。\pは強弱のピアノです。他にもあります。そのままなので多分わかると思いますがw。\markup{ ... }で文字を書けます。\boldは太文字です。禿げのbaldではないので注意しましょう! Assez doux... はフランス語です。ちんぷん… (おっと脱線してる…) -. はスタッカート。--はテヌート。
\score { ... } ですが、この中で段組をしています。自分自身よくわかっていませんのでこういうものだと思ってください 汗; \midi {} があるとMIDIを出力してくれる。要らなければ消してください。いろいろ細かく設定できるみたいですが、調べてません><。%以下はコメントです。同一行の間は無視します。何かメモを残しておきたいときに。


※1 Cygwin
VistaではMinGW版がどうもうまく動かないようなので、Cygwin版を使わざるを得ません。
CygwinとはWindowsUnix環境を云々・・・はいわかりませんね。ごめんなさいw とにかくそういうソフトがあって、その上でLilypondを実行させるということです。その場合のインストール方法を簡単に書きます。http://www.cygwin.com/setup.exeCygwinインストーラを落として、実行して、適当に進みます。Choose A Download Siteという表示まできたら、日本のアドレスを選んで進んでください。(なんとか.jpとか) しばらくすると、Select Packagesになると思います。そのなかのPublishing のなかにLilypondがあるか探してください。無ければ戻って他のアドレスを選んでまた来てください。Lilypondがあれば、SkipとなってるところをクリックしてInstallにしてください。あとは適当でw
Cygwinのインストールが終わったら、lyファイルをlilypondで開くように関連付けてやってください。Lilypondのは標準ならc:\cygwin\bin\lilypond.exeにあります。説明不足ですが、全部説明する気も起きないのでお許しくださいm(_ _)m