拡散方程式で…

ちょっと前に研究室の輪読でこんな問題が出た。(変数名は改変)

  • \frac{\partial P}{\partial t}=D\frac{\partial^2 P}{\partial x^2} (x\geq0)
    • P(t\geq0,x=0)=P_1 , P(t \leq 0,x)=P_0

普通の拡散方程式なんだけれど、とけない…。
これを解くとこんな形になるらしい。

  • \frac{P-P_0}{P_1-P_0} = \left[{1-{\mathrm erf}\frac{x}{2\sqrt{Dt}}} \right]
    • {\mathrm erf}(z)=\frac{2}{\sqrt{\pi}}\int_0^z{{\mathrm e}^{-\zeta^2}d\zeta}

輪読で読んでいる本での解法はu=\frac{x}{\sqrt{Dt}}とおけ!とのこと…えっ!?2つ変数があるのに1つの変数にまとめていいの?? いやいやいやwww 自分はどうしても納得できなかったからいろいろ試してみた。変数分離はもちろんフーリエ変換とか上の変数にv=x\sqrt{Dt}を加えて方程式を書き換えてみたり…としたけれどだめだった

そこで「拡散方程式 解法」でぐぐったら、ちゃんとあるじゃないですか!
ときわ台学/拡散方程式の解法・解析解(誤差関数での表示)

フーリエ変換だとうまくいかないけれど、ラプラス変換だとうまくいくんですね。不思議。物理の人はフーリエ変換を好んで、システムの人はラプラス変換を好むって聞いたことがあるような気がする。なんでだろう?

フーリエ変換ラプラス変換の特長的な違いは、端があるかないかだと思う。指数の肩にiがあるかないかもあるけれど解析接続の立場から見ればあまり本質的でない。フーリエ変換は全空間で積分変換するのに対して、ラプラス変換は全空間で積分すると発散してしまうので片側空間で積分変換する。片側空間で積分するので変換式に端の値が出てくる。そうするとラプラス変換境界条件がある問題に適応しやすいのかもしれない。

物理やってると初期条件によらずに定常的な状態が知りたいことが多いからフーリエ変換がよく使われるのかなー?



ところでIto先生の統計力学はどこへ向かうのだろう…??経路積分とか確率解析とかは教えてくれるのかな??あと量子モンテカルロも知りたい!