確率密度関数の変数変換について

確率密度関数の変数変換をする面白い公式を思いついた

  • {P_{\bf{Y}}}\left( {\bf{y}} \right) = \int {{P_{\bf{X}}}\left( {\bf{x}} \right)\delta \left( {{\bf{y}} - {\bf{y}}\left( {\bf{x}} \right)} \right)d{\bf{x}}}

今までは?

n次元変数\bf X確率密度関数P_{\bf X}\left({\bf x}\right){\bf Y} = {\bf y} \left( {\bf X} \right)確率密度関数P_{\bf Y}\left({\bf y}\right)に変換する公式は、ご存知のとおり

  • {P_{\bf{Y}}}\left( {\bf{y}} \right) = \left| {\frac{{\partial {\bf{x}}}}{{\partial {\bf{y}}}}} \right|{P_{\bf{X}}}\left( {\bf{x}} \right)

である。だが、この公式だと{\bf{y}}\left( {\bf{X}} \right) = {\bf{Y}}となる\bf Xが複数ある場合は表せていない。このことは和をとれば良いだけの事であるので、それほど問題ではないのだが、ただZ = X+Yの分布だけを求めたいだけの時にも、わざわざW = Y という独立変数を導入して、この公式から同時分布を求めて周辺分布を求めるために積分することで\bf Z確率密度関数を計算しなくてはいけない。これはいささか面倒だと思う…



同時確率分布を創り出す

そこで正しいかはか分からないが次の事を思いついた
\bf X\bf Yの同時確率密度関数を作り出す。これはデルタ関数を掛けることで作られる。

  • {P_{{\bf{X}},{\bf{Y}}}}\left( {{\bf{x}},{\bf{y}}} \right) = {P_{\bf{X}}}\left( {\bf{x}} \right)\delta \left( {{\bf{y}} - {\bf{y}}\left( {\bf{x}} \right)} \right)

なぜなら、{\bf{y}}\left( {\bf{x}} \right) = {\bf{y}}が成り立たなくてはいけないからだ。

なので、\bf Yの分布は周辺分布を求めるように

  • {P_{\bf{Y}}}\left( {\bf{y}} \right) = \int {{P_{{\bf{X}},{\bf{Y}}}}\left( {{\bf{x}},{\bf{y}}} \right)d{\bf{x}}}  = \int {{P_{\bf{X}}}\left( {\bf{x}} \right)\delta \left( {{\bf{y}} - {\bf{y}}\left( {\bf{x}} \right)} \right)d{\bf{x}}}

で計算することができる!

この公式では\bf yはn変数である必要はなく、Z = X+Yのように2変数から1変数に変換する時もスムーズに実行できる



正当化?

とりあえず和の分布は正しい結果を導いた。あと、2変数では証明できそうな感じだった。ただし証明にはデルタ関数の性質を知っていないといけない。同様に任意の個数の変数でもできるかもしれない。


っと思ったら特性関数を考えることで証明できたみたい