贅沢なひととき

12/1に東京文化会館小ホールでパスカル・ロジェのピアノリサイタルがあったので聴きに行ってきました。フランスのピアニストです。Twitterで存在を知って、いくかどうか迷ったあげく大学のあとに学生券をその場で買って聞きました。とても得るものが多かったです。
リサイタルのタイトルは「ショパンとフランス印象派」で、詳細はこちらへどうぞ。

タイトルの通り、ショパンの楽曲とフランス作曲家の楽曲が入り交じったプログラムになっています。フォーレプーランクラヴェルドビュッシーといった作曲家たちです。プログラムをみてもらえればわかりますが、ドビュッシーがメインになっています。ロジェさんはきっとドビュッシーがお好きなのでしょう。演奏はとても優しい打鍵でしっかりと音量が制御されて、それでいてとても優雅でした。そして、こんな解釈もあるんだなあと気付かされる良いリサイタルで、贅沢な時間を過ごせました。一部の演奏について感想をば。



リサイタル最初はフォーレノクターン第一番。とてもゆったりとしたテンポで引き始めた。ゆったりとしたテンポのおかげで、瞑想的な感じがさらに引き出されてなるほどな〜と思った。
ショパンノクターン第13番。たぶん好きな人は好きな曲だとおもう。ロジェが弾くと、そのタイトルの通り夜想的な雰囲気がありありと再現されて感動した。そうか、ショパンが目指した音楽とはこういうものだったのか!と。僕はショパンがあまり好きではない(とおもっていた)のだけれど、この演奏を聴いて、ショパン良い!!とおもわざるを得なかった。ロジェの魔法なのだろうか。
ちょっと飛んで、ショパンのワルツ第7番。とても音量が制御されて、軽やかなアーティキュレーションがとても気持ちい演奏だった。なるほど、こういう風に弾けばよかったのかと参考になった。

休憩をはさみ、ちょっととばしてショパンの雨だれ前奏曲。この曲、ショパンが恋人のジョルジュサンドと別荘に行ってて、雨の日にサンドが家に帰ってきたらショパンがこの曲を弾いて泣いていたという話があったっけか。いままで、誰の演奏を聞いても泣いてるんだなんて思ったことは無かったけれど、そうかこの雨音のような音は泣いている表現でもあったのかと気付かされたようなきがする。
ドビュッシー前奏曲第一巻から亜麻色の髪の乙女。僕はいままで勘違いをしていて、この曲は優雅な乙女の曲だと思っていた。でも違った。まだあどけなさが残る可愛らしい女の子の曲だったのだ。
そしてちょっと飛ばしてまたドビュッシー前奏曲第2巻から月の光がふりそそぐテラス。月の光ではないので注意。生で聞いたせいか、ロジェの演奏の魔力のおかげなのかわからないけど、月の光が妖しくテラスにそそいでいる、なんともいえない雰囲気な夜が浮かんできた。
最後はバラード第4番。でもロジェはこういう曲は向かないのかなってちょっと思った。

アンコールはサティーのグノシェンヌ(だっけ?)のどれか、とドビュッシーの月の光。グノシェンヌはあまり聴き慣れてなくて、一瞬即興か?っておもってしまったw


というわけで、自分の演奏もちょっと見直してみようかと思うにいたりました。


ではでは