鏡に写った自分の顔は左右が逆?

最近は寺田寅彦の随筆集を読んでいる。科学と芸術をともに愛する人という共通点を意識して読みたいと思ったわけではなく、たまたま読んだ「のばら(花物語より)」の美しい文体に惹かれた読みたいと思ったから。科学や物理について考察していたり、かといえば単に日常的な出来事を随筆として記していたり。でも、視点は科学者的。
内向的で病弱なのも似てるなあとか妙に意識してしまったり…

それは良いとして。

「自画像」で鏡に写った自分の顔は自分の顔とは違うという話が出てきて、左右が逆なのは明白だが…と出てきて、ちょっと待ったと思ってしまった。
高校のとき、数学の先生が鏡の像はなぜ左右逆で上下逆ではないのか?という話を出したのを覚えている。そのときは先生は問題を出しただけで、答えは教えてくれなかった。自分で答えを考えて納得した記憶があるのだけど、思い出せない…



鏡の像が左右逆だけど上下逆じゃないのは、やはりどう考えても奇妙に感じる。
だって鏡にとっては左右も上下も同じもののはずだから。鏡にとって区別できるのは前後。
ということは上下左右は人間の見方ということになる。でもなぜ左右だけ逆?

そもそもオリジナルの自分の顔とは何か?それは自分の顔を見たときの画像だとしても良いと思う。
鏡の像は?鏡に写ったものをみた画像とすることができる。
やはり左右だけ逆だ…うーん

と思うのは先入観が入ってしまっている。ものを見るときに、どの場所からみているか、視線はどの方向か、どのくらい傾いているか、恣意的に決めてしまっているのだ。

だから、上下だけ逆だと言っても間違いじゃない。