二次曲線の接線の公式について

バイトで二次曲線の接線の公式を教えていてふと気になっていたのでここに記そうと思う。

接線のつくりかた

知っている人も多いと思うが、ある二次曲線があって、点(x_0, y_0)での接線を求めたいという場合は次のような置き換えを行うと接線が求められる。

  • x^2 \to x_0 x
  • x \to \frac{x+x_0}{2}
  • yについても同様
  • 定数はそのまま

例えば、円

  •  x^2 + 2 x + y^2 + 2 y = 2

の場合は、

  •  x_0 x + x + x_0 + y_0 y + y + y_0 = 2

となる。(式の整理は割愛)

それではxyのような項はどうしたらよいのだろうか・・・?
それを調べることもかねて、この接線の作り方を導出してみよう

導出

ある二次曲線が陰関数表示f\left( {x, y} \right) = 0で表されているとしよう。

高校数学を逸脱してしまうが、この陰関数の接線は次のように表される。

  • \left. {\frac{\partial f}{\partial x}}\right|_{\left( {x_0 , y_0 } \right)} \left( {x-x_0} \right) + \left. {\frac{\partial f}{\partial y}}\right|_{\left( {x_0 , y_0 } \right)} \left( {y-y_0} \right) = 0

あとの都合のため両辺を2でわる。

  • \frac{1}{2}\left. {\frac{\partial f}{\partial x}}\right|_{\left( {x_0 , y_0 } \right)} \left( {x-x_0} \right) + \frac{1}{2}\left. {\frac{\partial f}{\partial y}}\right|_{\left( {x_0 , y_0 } \right)} \left( {y-y_0} \right) = 0

各項がどのようになるかをみていく。

x^2について

接線の式の左辺のx^2が関わる部分だけ計算するとこのようになる。

  •  x_0  \left( {x-x_0} \right) = x_0 x - {x_0}^2

第一項が変換によって得られる部分と同じで、第二項が陰関数のx^2の部分の接点での値となっている。y^2についてもほぼ同様である。

xについて
  •  \frac{1}{2}  \left( {x-x_0} \right) = \frac{ x + x_0 }{2} - x_0

となりやはり、変換の部分と陰関数に由来する部分にわかれる。yについてもほぼ同様である。

定数部分について
  • 0=1 - 1

より変換の部分と陰関数の部分と表される。

xyについて
  • \frac{y_0}{2}\left( {x-x_0} \right) + \frac{x_0}{2}\left( {y-y_0} \right) = \frac{y_0 x + x_0 y }{2} - x_0 y_0

つまり

  • xy \to \frac{y_0 x + x_0 y }{2}

と変換した部分と陰関数の部分にわかれることになる。


以上をまとめてさらに、接点上では

  • f\left( {x_0, y_0} \right)=0

であったことを思い出すと、接線の式は、最初に導入した変換で得られることがわかった。

つまり

  • xy \to \frac{y_0 x + x_0 y }{2}

と変換すれば良いということがわかりました。めでたしめでたし。

\left( { x + a } \right)^2のような項がどうなるか、とか2次曲面の場合はどうなるかとかも考えると楽しいかもしれませんね。